パン・オ・ルヴァン(サワードゥブレッド)【イースト使用・小麦サワー種使用】

パン・オ・ルヴァン(サワードゥブレッド)は小麦サワー種を使用して作るパンです。

小麦サワー種はフランスではルヴァンと呼ばれ、アメリカではサワードゥと呼ばれます。

そのため国によって呼び方の違いはあれど、パン・オ・ルヴァンとサワードゥブレッドは、ほぼ同じパンと捉えていいと思います。

パン・オ・ルヴァンは硬いサワー種(ルヴァン・デュール)で作るのが一般的なようですが、今回は柔らかいサワー種(TA200、ルヴァン・リキッド)で作っています。

そのため、まろやかな酸味と、熟成の旨味を感じられるパンになっています。

ちなみにフランスではパン・オ・ルヴァンを名乗る場合、イーストの併用は生イーストで0.2%までとされています。

今回のレシピではインスタントドライイーストを0.1%配合しています。これは生イーストに換算すると約0.3%となり、先ほどの基準を超えています。

おうちでのパン作りでは少量の仕込みになると思うので、あまりに少ないと正確な計量が難しくなることを考慮し、この量にしています。

趣味のパン作りですから、そのあたりは臨機応変に対応していいのではと思います。

なお、この生地を使ってバゲットを焼くこともできます。

イーストを使って作るバゲットと比べるとボリュームは控えめで中身も詰まり気味になりますが、サワー種の風味や味わいを感じられるパンになります。

「パン作りを始める前に」をお読みでない場合は、先にそちらをご一読ください。このブログのレシピを使ってパン作りに挑戦する前に、知っておいてほしい注意事項を説明しています。

分からない用語があれば、「専門用語集」をご覧ください。

パン・オ・ルヴァンの使用材料

パン1個分のレシピ。生地量合計約526g(175.4%)。

サワー種

  • 中力粉:90g(30%)
  • 強力粉:30g(10%)
  • 水:120g(40%)
  • 初種(小麦粉、TA200):24g(8%)
  • 塩:2.4g(0.8%)

※中力粉と強力粉は準強力粉(フランスパン用粉)に置き換え可。その場合は120g(40%)の準強力粉(フランスパン用粉)を使用する。

本生地

  • サワー種全量
  • 強力粉:180g(60%)
  • 水:75g(25%)
  • 塩:3.6g(1.2%)
  • インスタントドライイースト:0.3g(0.1%)
  • モルトシロップ:0.9(0.3%)

※カッコ内はベーカーズパーセント。

※サワー種仕込みで準強力粉(フランスパン用粉)を使用した場合は、本生地の強力粉は準強力粉(フランスパン用粉)に置き換える。

パン・オ・ルヴァンの作業工程

  1. サワー種を作る(12~16時間)
  2. 材料を用意しオートリーズする(40分)
  3. 生地を作る(10分)
  4. 一次発酵を行う(30分)
  5. パンチを行う(5分)
  6. 一次発酵の続きを行う(30分)
  7. 成形する(5分)
  8. 二次発酵を行う(60分)
  9. カットを入れる(5分)
  10. 焼成する(45分)

合計作業時間:約15時間50分~19時間50分

パン・オ・ルヴァンの作り方

  1. サワー種の材料を全て計量し、ボウルに入れて混ぜ合わせます。20~22℃で12~16時間熟成させます。

  2. 材料を全て計量し、インスタントドライイーストと塩以外を、サワー種全量と共にボウルに入れます。
  3. 粉っぽさがなくなるまで混ぜます。
  4. インスタントドライイーストを振りかけ、30分間オートリーズを行います。
  5. 生地をこねます。インスタントドライイーストが混ざったら塩を加え、滑らかになるまでこねます。目標こね上げ温度25℃。
  6. 20~22℃で60分一次発酵を行います。30分経過したら一度パンチを行います。

  7. 生地を成形します。生地に溜まったガスを抜いて折りたたみ、楕円形に整えます。
  8. 発酵かごに薄手の布を敷き、粉を振りかけます。閉じ目を上にして発酵かごに入れます。
  9. 20~22℃で約60分二次発酵を行います。
  10. 生地の上にベーキングシートを乗せ、ひっくり返して生地を取り出します。
  11. クープナイフ(もしくはナイフやカミソリ)でパンの中心を端から端までカットします。
  12. 板に乗せてベーキングシートごと滑らせるようにオーブン(250℃に予熱済み)に入れ、すぐにスチームを入れます。5分焼いたら220℃に落として約40分焼きます。