失敗から学ぶ米粉パン作りの3つの注意点【米粉配合カンパーニュの場合】

どうも、パン職人のけんです。

今回は米粉パン作りの3つの注意点について、以前試作した米粉配合カンパーニュを例に説明をしていきます。

別の記事で米粉を配合した角食パンのレシピ・作り方を紹介しているのですが、今まで米粉を配合したパンを作った経験が無かったため、角食パンを作る前に試作をしています。

この試作をした結果、小麦粉100%のパンとは大きく違うところや注意すべきところが見えてきたのでシェアをしていきますね。

ちなみに前提として知っておいてもらいたいのですが、今回試作してうまくいかなかった例として紹介する「米粉配合カンパーニュ」および先ほど紹介した「米粉を配合した角食パン」はいずれも米粉配合率は20%です(粉全量を100%とした時に小麦粉80%、米粉20%)。米粉100%ではありません。

米粉の配合率を上げればこれから説明する注意点の影響はより顕著に表れますのでご注意ください。

米粉パン作りの3つの注意点

米粉パン作りの注意点とは、

  1. 水をよく吸う
  2. 生地が膨らみにくい
  3. 焼成時に焼き色が付きやすい

この3点です。

これらは小麦粉、もしくは小麦粉100%で作った生地と比べた場合の注意点です。

このような注意点があるため、米粉を配合したパンを上手に作るためには、小麦粉100%で作るパンと比べて

  1. 水の量を増やす
  2. 生地が膨らみにくいことを考慮した配合、発酵時間にする
  3. 焼き色が付きやすいことを考慮した焼成時間、焼成温度にする

といった対応が必要になります。

こういったことを知らずにパンを作るとどうなるのか。これから失敗例を紹介していきます。

失敗例:米粉配合カンパーニュ

まずは失敗例を見てみましょう。こちらです。

この画像を見ると、このパンには

  • 上面のカット部がうまく開いていない
  • (ちょっと分かりづらいですが)ボリュームがいまいち
  • 焼き色が全体的にしっかり付いている(濃い)

といった問題点があります。

これは先ほど紹介した「米粉配合パンを作る場合の対応」が足りなかったために起きたものであると考えられますが、もう少し詳しく考察していきます。

水の量が足りない

まずはこちらの画像をご覧ください。

生地が硬いのが伝わるでしょうか。

この生地には水が70%(小麦粉+米粉100gに対して水70g)入っています。

小麦粉100%のカンパーニュを作る場合は水の量は65~68%にすることが多いです。米粉は何となく水を吸いそうなイメージがあったので少しだけ(2%)増やしていたのですが、足りませんでした。

小麦粉100%の場合、水を70%入れたらこんなにプリッとした生地にはならず、もう少し緩んだ生地になるのですが、米粉20%配合の場合は締まった生地になりました。

こちらは一次発酵終了後の画像です。

普通、一次発酵が終わると生地の力が抜けてダラッとした感じになりますが、まだプリッとした状態を保っています。見るからに硬い生地です。

生地が硬いと焼いた時の生地の伸び(窯伸び)が悪く、ボリュームが控えめになることがあります。

今回は明らかに生地が硬く、伸展性(伸びやすさ)が不足していました。

そのため、焼いたパンの「カット部が割れない」、「ボリュームがいまひとつ」という問題点は、水の量が足らず生地が硬かったことが原因の一つであることが予想されます。

「膨らみにくい生地」への対応不足

米粉にはグルテンの元となるたんぱく質が含まれていません。そのため、米粉と水を合わせてこねても、小麦粉のようにグルテンが作られることはありません。

パンが膨らむのは発酵種(パン酵母や天然酵母など)が作り出す炭酸ガスをグルテンがキャッチするからです。そのため、グルテンが無いとパンは膨らみません。

今回は米粉を20%配合しているため、小麦粉100%の生地と比べると米粉20%の分だけグルテンは少なくなります。つまり、その分だけ生地は膨らみにくくなります。

米粉配合パンを作る場合はその点を考慮し、強力粉の中でも特にたんぱく質量の多い強力粉(超強力粉)を使ったり、限られたグルテンを十分に作り出せるようにしっかりこねるなどの対応が必要になります。

また、グルテンが少ないと焼いた時の伸び(窯伸び)も控えめになるので、小麦粉100%のパンと同じだけのボリュームになるように焼き上げるなら二次発酵を長めにとる必要があります。

今回の試作ではこういった「膨らみにくさ」への対応が不足していました。

小麦粉100%で作るカンパーニュのレシピを元に、小麦粉20%と米粉20%を入れ替えただけ(前述の通り水は少しだけ増やしましたが)だったからです。

「グルテンができない」という米粉特有の性質に加え、先ほど説明した生地の硬さも相まってよりボリュームがないカンパーニュになってしまったのだと思います。

焼成条件を変えていない

米粉配合カンパーニュは初めての試作だったこともあり、焼成条件(温度、時間)は小麦粉100%のカンパーニュと同じにして焼き始めました。

焼いている途中で焼き色がとても付きやすいことに気づき、小麦粉100%のものよりも5分早くオーブンから出すことになりました。

左は小麦粉100%のパン、右が米粉配合カンパーニュです。焼き時間は左の方が5分長いのに、焼き色は右の方が濃いですよね。

このように米粉配合パンは小麦粉100%のパンよりも焼き色が付きやすいので、焼成条件を変える必要があります。

特に調整すべきなのは時間ではなく温度です。焼成温度を下げる必要があります。

焼成時間は短すぎると生焼けになりますし、長すぎると乾燥してカチカチになってしまいます。そのため、焼成時間を変えずに済むような温度に調整してやる必要があります。

今回試作した米粉配合カンパーニュなら、焼成温度は10℃下げて様子を見る必要があるなと思いました。

米粉配合パンに適したレシピにしよう

今回は以前試作して見事に失敗した米粉配合カンパーニュを例に、米粉配合パンを作る場合の注意点を説明してきましたがいかがでしたでしょうか。

米粉は小麦粉とは違った性質を持っていて、たとえ20%であっても米粉と小麦粉を置き換えると生地や焼き上がったパンに大きな違いが出てきます。

そのため、小麦粉100%のパンを作るレシピをそのまま米粉配合パンに当てはめようとすると、今回紹介した様な問題点が発生してしまいます。

改めての確認になりますが、米粉配合パンは小麦粉100%のパンと比べて

  1. 水をよく吸う
  2. 生地が膨らみにくい
  3. 焼成時に焼き色が付きやすい

という特徴があります。

これらを考慮し、米粉配合パンに適したレシピで作る必要があります。

実際には米粉パンのレシピ本や、本ブログのようにインターネットで公開されている米粉配合パンのレシピを見て作る場合が多いと思いますが、オリジナルのレシピを作ったり、元のレシピからアレンジをする場合には今回紹介した注意点を思い出してもらえるといいかなと思います。

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